ひょん先生は背中で語りたい

精神科医。いじめられ体質から成長中。月曜日更新予定。

自分史上最強になれる3つの習慣

こんにちは。愛着障害、いじめられ体質克服中の精神科医ひょんです。

私も実践している、自分史上最強になれる3つの習慣をご紹介します。この3つの習慣の効果は科学的にも認められています。

メンタル不調でを書かている方だけでなく、なんとなく本調子になれなくて困っている方も実践してみてください(*‘ω‘ *)

 

(2023年6月12日に書いた記事を、2023年7月19日に書き直しています。)

 

 

①運動習慣

 

私はキックボクシングをしています( ・´ー・`)写真はイメージです。

運動は体にいいとは言われますが、思っている以上に効果があります。

もちろん、体の機能も高めてくれますが、精神にも良い影響を及ぼします。

運動が脳に与えるポジティブな影響は以下が証明されています。

 

  • 幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌を促し気持ちが安定しやすくなる
  • ドーパミンノルアドレナリンなどの集中力や意欲、行動に関する脳内ホルモンの分泌も促す。幸福感が増し、活動的になれる。
  • BDNF(脳神経の栄養物質)の分泌を促し、脳全体の機能も向上する

 

抗うつ薬ではセロトニンを補充するのですが、研究によると、運動を行った群と抗うつ薬を投薬された群で治療成績に差がなかったといわれています。副作用もなく、抗うつ薬と同等の効果が得られるのです!

脳機能の向上だけでなく、体を鍛えることで自信もつき、自己肯定感にもつながりますチームで行うスポーツであれば人とのつながりもうまれます。

 

不安については強度の運動が効果がある、セロトニンはリズム運動で分泌されやすい、といった特徴もあり、行う運動によって期待できる効果は若干違います。

しかし、まずは生活習慣に運動を取り入れることが大切です。

 

理想とする運動は以下にまとめられます。

 

  • 週に2時間以上
  • 心拍数=(220-年齢-安静時心拍数)×0.6以上+安静時心拍数
    ※計算が難しい場合は、汗をかく、軽く息が弾むくらいの運動量でOK

 

参考図書

 

運動の効果をもっと知りたい方は、「脳を鍛えるには運動しかない」がおすすめです。

 

 

②健康的な食事

 

 

最近では腸脳相関と言われていて腸と脳は互いに影響していることが指摘されています。

腸は栄養の吸収、排泄を行うだけでなく、メンタルバランスにも影響を与えているのです。

 

病的な診断がつく栄養不良ではないものの、実は栄養不足が起きている場合があります。

質的な栄養不良によって不調が起きていることも多いです。

主に、タンパク質や鉄分、ビタミンの不足による質的栄養不良が起きやすいです。

そのほか、添加物や悪い人工甘味料などの物質による影響も受けやすいです。

 

質的栄養不良について書くことはたくさんあるのですが、今回は簡単に書きたいと思います。

「1.有害なものの除去」、「2.必要な栄養の摂取」にわけて紹介します。

 

1.有害なものの除去

 

砂糖、人工甘味料、加工食品、加工肉、小麦、牛乳、揚げ物(AGEs)を避けたほうが良いです。

 

まずは砂糖を除去しましょう。

砂糖を摂取することで、急激な高血糖低血糖が生じやすくなり、メンタルも乱高下しやすくなります。

間食したくなるのは、大抵の場合、タンパク質が足りていないからです。

お菓子をよく食べてしまう方は、食事やプロテインからタンパク質を積極的にとるようにしましょう。

 

人工甘味料アスパルテームスクラロース)などは、腸内細菌叢に影響を与え、体内の慢性的な炎症を引き起こします。

加工食品や加工肉の添加物も、人工甘味料と同じように腸内環境に悪影響を及ぼします。

 

小麦や牛乳は、アレルギーを持っていなくても、腸内環境のバランスを壊すことが報告されています。

小麦のグルテンや、牛乳のカゼインが原因となります。

小麦粉の代わりに米粉を使ったり、牛乳の代わりに豆乳やアーモンドミルクを使ってみると良いと思います。

 

揚げ物や焦げているもの(イメージ的に火が当たって茶色かったり焦げたりしているもの)に含まれるAGEsは体内の老化を促進します。

 

一気にすべて取り除くことが難しいと感じる方もいると思います。

その場合は砂糖から初めて、少しずつ他のものもやめてみたり、他の食品に置き換えてみると良いと思います。

一定期間摂取をやめてみて、効果を実感してみると実践しやすいです。

私もアレルギーは何も持っていないのですが、一旦小麦や牛乳を外してみると体調が少し良くなりました。

 
2.必要な栄養の摂取

 

タンパク質、鉄分は必須です。

体はタンパク質からできているし、幸せホルモンのセロトニンを含む脳内ホルモンもタンパク質を原料にしています。

また鉄分も代謝の重要な役割をしています。

採血を行ってきちんと管理して食事指導をするときは以下の基準で指導をしていました。

 

タンパク質の目安: BUN 15~20mg/dl
鉄分の目安: フェリチン 50~100ng/ml

 

私の場合、タンパク質は1日にお肉やお魚を200~300g食べて、間食したくなるときはプロテインを飲んでおおよそ達成されています。

鉄分の摂取については人によって違うし、きちんと採血してみることをお勧めします。ただ、患者さんでタンパク質も鉄分も十分な患者さんはほとんど見たことがありませんし、質的栄養不良を起こしている人がほとんどだと思います。

 

ビタミン、食物繊維、発酵食品などに含まれるプロバイオティクスも積極的にとりたい栄養素、食品です。

 

参考図書

 

食事療法についてもう少し知りたい方は、「うつ消しごはん」がおすすめです。

著書の藤川先生おすすめのサプリ類の紹介もあります。

 

 
もっと詳しく知りたい方は「オーソモレキュラー医学入門」がおすすめです。分厚いけど、内容もしっかりしています。
 

 

③マインドフルネス

 

過去、現在、未来のうちの、過去と未来にとらわれることで不安が生まれます。現在に焦点を当てることで不安がなくなり、今に集中できます。

また、脳科学的にもマインドフルネスの有効性は複数報告されています

 

  • 感情調整力の向上
  • 集中力の向上
  • セルフコントロールの向上
  • 記憶力の向上
  • メタ認知能力の向上   など

 

マインドフルネスにも様々な方法がありますが、背筋をただし、呼吸の感覚に集中する呼吸法が基本となります。じっとするのが苦手な方は、歩行瞑想といって、歩くときに足の感覚に集中する瞑想法を試してみてもいいかもしれません。

解離と呼ばれる、記憶や感覚が自分から離れていきやすい方は、マインドフルネスを行っても、体の感覚を感じ取ることができないことがあります。

体が感覚を感じたくないところに無理に感覚を取り込もうとするとかえって悪化してしまうことがあるので、気を付けながら行うのがよいかもしれません。

 

マインドフルネスについてもっと知りたい方は「最高の休息法」がおすすめです。

いくつかマインドフルネスの本を読みましたが、一番わかりやすかったです。物語形式で進むので読みやすいし、物語自体も長すぎず、すっきり読めます。

 

 

まとめ

 

自分史上最強になれる3つの習慣についてお伝えしました。

私も実践してみて、効果が感じられたものばかりです。

 

特に愛着障害に関連した傷を持っている方は、完璧主義の方が多くて、数回試して良くならなければ諦めてしまう方が多いのですが、これらの習慣は続けることで効果を発揮します。

無理のない範囲ではじめて、できるだけ継続しましょう。