ひょん先生は背中で語りたい

精神科医。いじめられ体質から成長中。月曜日更新予定。

言いたいことを我慢しすぎることの3つのデメリット

こんにちは。

愛着障害の人はどうしても自分の気持ちを伝えられない傾向にあります。空気を過剰に読もうとしたり、自分が我慢して収まるなら我慢しようとしすぎてしまうのです。

ただ、我慢してそれで万事OKかというとそういうわけでもありません。

デメリットについて3つご紹介して、簡単な気持ちを伝える練習方法も最後に紹介しようと思います。

 

 

1.周りが悪い人に見えてしまう

 

空気を読みすぎてしまう人は、他の人が空気を読んでくれないと、その人を責めてしまう傾向があります。言葉で示さなくても、思いやりがないと感じたり、なぜ私ばかりが我慢しないといけないんだろうと不満が積み重なってしまいます。

案外周囲の人は、あなたがなんとなく嫌そうだ、ということには気付いていて、「言いたいこと言えばいいのに。面倒だな。」と離れて行ってしまうこともあります。周りの人と仲良くするためにしていた我慢が裏目に出てしまうのです。

 

2.悪い人に利用される

 

1.の悪く見えてしまうだけの人が多いのですが、意見してこないから利用しようとする悪い人もいます。空気を察してくれる人をうまく利用することに長けています。また、合わせてくれる相手に対し、自分に都合の良いルールを押し付けてきます。

このタイプの人は、空気を読んで我慢をしてくれるタイプを見つけるのが得意で、適格にターゲットを定めていじめてきます。

 

3.心身への悪影響

 

ストレスを抱えすぎてしまうことで、メンタル不調や、さらに身体の不調を来すことがあります。ずっとイライラしてしまうことで自律神経の不調が生じ、疲れやすくなるし、気持ちも冴えないし、なんとなく体がだるい、ということが起きてしまいます。また、おなかの張り、便秘や下痢といった腹部症状が起きることが多いです。東洋医学気滞という、イライラが溜まった状態ではおなかも張りやすいとされていて、イライラとお腹は関係あるようです。

 

まとめ

 

身近な人まで悪く見えてしまうし、実際に悪い人に利用されてしまいます。結果として、良い関係を築きたいから我慢していたことが、対人交流悪化につながってしまうのです。また、心身の健康も害してしまうのです。

今まで、気持ちを抑えることを強要されてきたり、そうしなければ生き延びることができなかった人たちに過剰に空気を読んで我慢しすぎる傾向があります。今まで、我慢することで生活に適応できていたと思うのですが、自分の意見を自由に言って良い環境ではむしろ不適応となってしまいます。

 

言いたいことを言えるようになる処方箋

まずは自分で思っていること、感じていることを知り、それを言葉にする練習をしてみましょう。筆記開示(20分間頭に思い浮かんだことを書いていく)や日記といった手法を試してみると良いでしょう。安心して話せる人がいるなら、その人に愚痴を聞いてもらうのも一つですし、カウンセリングを利用してみるのも助けになると思います。

まずは自分で一人で自分の気持ちを聞いてあげて、それから人に聞いてもらう、というステップがやりやすいと思います。

 

上手な気持ちの伝え方をもっと知りたい方はアサーションの勉強をしてみると良いと思います。自分も他人も大切にした気持ちの伝え方のスキルです。

 

 
最近はマンガで勉強できる本も増えていて便利ですね。