ひょん先生は背中で語りたい

精神科医。いじめられ体質から成長中。月曜日更新予定。

治療者を選ぶ時の3つのポイント

こんにちは。

私は精神科医でありつつ、大学時代から精神科通院を続けているベテランの精神科患者でもあります。3人の先生に診ていただきました。大学病院の名誉教授にも診ていただいたことがありますが、先に伝えておくこととして、名誉があるから治療が快方に向かったわけでも、ベストな先生だったわけでもないのです。その先生なりのベストを尽くしてくださったと思うし、タイミングもあると思いますが、その時はあまり快方に向かわず、転医してから改善傾向がみられました。自身での治療にあたりつつ、こういう治療者を選んだ方がいいのではないか、というポイントを書いていこうと思います。

 

 

話すと元気になる

 

精神科の治療については安心感が大切になります。安心感が十分に感じられると、エネルギーが蓄えられて、少しずつでも良い方向に向かって行きます。

話すと元気になる治療者は、あなたに安心感を与えてくれているし、エネルギーも与えてくれています。

会うと思うと気が重くなる場合や、嫌なことを言われてしまわないか不安に感じてしまう場合は、その治療者と合わないのかもしれません。

 

指導より対話を大切にする

 

あなたのことを決めつけず、意見を聞いてくれる治療者が良いでしょう。

安心感にもつながりますし、カテゴリーにとらわれないオーダーメイドの治療提供が可能となるからです。疾患の種類は限られていますが、人それぞれ治療法は微妙に異なるのです。薬剤治療はある程度パターンがありますが、症状の困ったときにどう対処してくか、ということについては十人十色です。例えば、不安に感じたときに体をマッサージしたら落ち着く人もいるし、マッサージでかえって落ち着かなくなる人もいます。

そうした時に、マッサージをしたらよくなるから、と言い捨ててしまう治療法はむしろ害でしょう。

同様に、やりたいことがあるときに、それはできないよ、と言い捨てる治療者よりも、行動の手順を考えてくれたり、しないほうが良いことがあっても、どうしてしないほうが良いかをきちんと説明してくれる治療者が良いでしょう。納得と安心のもとに治療を受けることができます。

 

嫌なことや恥ずかしいことも話せる

 

初診のときに見分けはつきにくいですが、ある程度治療関係が続くと、治療のなかで不満や、不満までいかないものの疑問が生じることがあります。そのときに率直に話せる治療者が良いでしょう。治療環境としてはあなたらしく安心していれる環境が望ましのです。また、治療で違和感が生じる場面では、治療にとってなにかしら有害なことが起きている可能性があり、治療環境を整えるうえでも大切なのです。ただ、意図的に敵意をぶつけるような言い方は避けたほうがよいでしょう。

人に笑われてしまうかもしれないけど話しておきたいことも出てくると思います。その時に、この人だったら馬鹿にせずに聞いてくれるという信頼が成り立つ治療者が良いでしょう。

 

まとめ

 

今日は治療者を選ぶ時のポイントについてお伝えしました。

精神科の場合、抱えてきた大きな秘密を話さなければいけないことも多く、あまり治療環境を変えることに積極的になれないかもしれませんが、合わないと思ったときは思い切って別の治療環境を選ぶことも大切です。もちろん、病状によっては今は辛抱強く治療を続けたほうが良い、という場合もあるので、治療環境を変えるときは一度治療者と話しあった方が良いと思います。

治療生活にお役立てください。